保育所開設を巡るトラブルはここ数年で急増しています。神戸地裁では「子どもの声がうるさい」などとして、運営する社会福祉法人に対し慰謝料100万円を求めて提訴する事案も発生。待機児童対策が急がれる中、専門家は「行政が積極的に介入していくことが必要になっている」と指摘しています。

 関西学院大学の橋本真紀教授(地域子育て支援論)によると、保育所開設を巡る近隣住民の反対理由は大きく分けて3つあるといいます。

 (1)子どもの声がうるさいという騒音問題

 (2)送迎車などによる交通問題

 (3)資産価値が減少するという危惧

が挙げられます。

 橋本教授は「住民が不安に思うのは自然な反応」と話します。「行政側や子育て世代からみると保育施設はいい施設だが、高齢者世帯などは必要性の実感がない。結果的に、子育て世代よりも地域のつながりが濃い、高齢世帯などの漠然とした不安感が先行して広まってしまう」と分析します。

 国は今年4月、各自治体に地域住民との合意形成を促すコーディネーターを積極的に配置し、保育所整備を円滑に進めるよう通知。

 橋本教授は「ネガティブな反応が出た時ほど、逆に地域に子育てを理解してもらうチャンス。地域のキーマンらを通して保育所整備のメリットとデメリットを市民に伝えていくのも行政側の重要な役割だ」と話しています。